八十八夜の意味・雑節の1つ!農作業や茶摘みとの関係は?
♪夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る
寒い冬の名残も消え、日差しが強くなる頃に
どこからともなく聞こえてくるこの童謡…。
誰もが一度は聴いた事がある、この歌の
「八十八夜」という言葉の意味をご存知でしょうか?
なんとなくは知っていても、はっきりわからない
という人も多いかと思います。
そこで今回は、八十八夜の意味や由来などについて詳しくご紹介します!
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目次
八十八夜の意味とは?雑節の1つ!
季節を正しく示すための「二十四節気」以外に、
変化の目安として用いられるのが 「雑節」です。
そして、八十八夜もその雑節の1つで、
他には 「節分」や 「入梅」「土用」など、
年に9つ用意されています。
八十八夜は 「立春」を1日目と数えて88日目、
現行暦では5月2日頃のことを意味します。
立春自体が年によって多少変動しますので、
あくまでも「頃」という表現になります。
では、なぜ八十八夜という言葉が生まれたのでしょうか?
昔、農業を行う人達は 中国の戦国時代に作られた
「二十四節気」を目安に農作業を続けていました。
しかし、二十四節気だけで充分な季節の移り変わりを
判断する事が出来ず、より詳しく季節の変化を捉える
ために、日本独自の 「雑節」という考えが生まれました。
カレンダーなどがない時代、
二十四節気と雑節の2つを目安に、より細かな季節の変化
を読み取り、農業を行っていたんですね。
その考えから八十八夜が誕生したようで、
季節を細かく知る上での目安の1つという
意味を持っていました。
ただし、現在の太陰暦では雑節を重視することも
無くなってきたため、知らない人も多いかもしれませんね。
八十八夜と農作業との関係は?
八十八夜、5月の上旬頃になると、
気候も安定してきて過ごしやすくなりますね。
草木も若芽を出し始めるこの時期、
農家の人達は忙しくなります。
この頃になると 「八十八夜の別れ霜」と言われるように、
晩霜も降りることが少なくなり、種まきや茶摘み、養蚕
など、実りに向けての準備が始まるからです。
草木が芽吹き、生き物の動きが活発になるこの時期は、
農作業の開始時期にもなり、草木も人間も忙しくなるのです。
また「八十八」という言葉を組み合わせると「米」という
漢字になることから、農業に従事する人達には特別な意味が
あるとも考えられています。
八十八夜と茶摘みとの関係は?
冒頭の「♪夏も近づく八十八夜~」というように、
「茶摘み」という童謡に歌詞として使われていますね。
「八十八夜」=「茶摘み」というイメージが強いですが、
そもそも茶摘みとどんな関係があるのでしょうか?
八十八夜は茶摘みを行う目安なので、新茶の季節、
茶摘みの風景というのは、この時期の風物詩の1つです。
とは言うものの、童謡の影響が大きく、
実際の茶摘みの時期は産地によっても異なります。
それでも八十八夜のこの時期に詰んだ新茶は
栄養価も高く、古くから 不老長寿の縁起物
とされてきました。
茶摘み最盛期に、新芽を丁寧に手で摘み取った新茶は、
縁起を担ぐという意味合いと、最も適した気候条件の
中で作られたお茶として「極上品」扱いを受けます。
新茶の時期・静岡、宇治、大和、朝宮は?
前年の秋から冬を越した新芽には、旨味のもとである
テアニンが豊富に含まれ、脳に作用して リラックス効果
を高めると共に、 集中力を高める効果もあります。
そんな茶葉で淹れられた新茶の豊かな香りと風味を
ゆっくりと堪能したいですね。
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