もやもや病の原因!大人と子供で異なる特徴が!治療法は?
病気に 「もやもや病」があります。
もちろん大人でも子供でも
発症する可能性のあるものです。
ですが、この病気がどんな原因で発症し、
どんな症状を引き起こすのか、ご存知
ないという方も多いことでしょう。
脳の血管に関する怖い病気なので、
発症してしまうと「非常に厄介」と
言わざるを得ません。
そこで今回は、もやもや病の原因と
特徴、治療法などについてご紹介します。
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目次
もやもや病の原因とは?
もやもや病は、何らかの原因で 脳の
太い血管が細くなったり、詰まったり
してしまう病気です。
ただ、太い血管のどこでもそうなるので
はなく、細くなる場所、詰まる場所は
決まっています。
そこは、 内頚動脈の終末部です。
進行すると、後大脳動脈も細くなること
もあります。
もやもや病は日本で発見された病気で、
現在でも東アジアからの報告が多い疾患。
脳に栄養を送る動脈は、左右の内頸動脈、
左右の椎骨動脈の合計4本あります。
その内の左右の内頸動脈の末端が、徐々
に詰まっていきますが、 原因不明で進行性
の病気とされています。
脳への血流が不足するために脳梗塞を
起こしたり、不足した血流を補うために
細い血管が新しく作られていきます。
この細い血管が脳血管撮影という検査で
煙が もやもやしているように見えたため、
もやもや病の名前がつきました。
その血管が破れてしまえば、脳出血という
状態を引き起こすことになります。
原因不明の上、脳梗塞、脳出血を起こし、
治療は困難で徐々に状態が悪化していく
ため、 「難病指定」されている疾患です。
子供と大人で違うもやもや病!
もやもや病はどの年齢でも見つかりますが
5~10歳と40歳前後にピークがあります。
なぜそんな年齢分布になるのか分かって
いませんが、子供と大人では病気の特徴
が少し違っています。
1つは 発症の仕方です。
子供では脳出血で発症するケースが
ほとんどないのに対して、大人では半数が
脳出血で発症します。
もう1つは、子供では病状の進行が速い
のに対して、大人ではあまり進行しない
という例があります。
ですから、治療を考える上で
発症の年齢はとても重要です。
子供の脳というのは、まだまだ 発達段階で
必要な血の量が多いと考えられています。
したがって、一定のラインよりも脳の
血流が足りないときには手術が必要です。
一方、大人ではあまり進行しない例も多い
ので、かなりの血流不足にならない限り、
手術しないで様子を見る場合があります。
また、大人では動脈硬化で血管内が細くなる
ことで、もやもや病のように見える人も
いるようです。
動脈硬化でもやもや病に似た状態になり、
手術が必要な場合もあります。
この場合は手術だけでなく、 高脂血症、
高血圧、糖尿病などといった、動脈硬化
を進める病気に対しても治療が重要です。
もやもや病の治療法とは?
もやもや病は、脳動脈の閉塞性変化が
病気の本質なので、不足する脳血流を
補うための外科的治療が有効です。
いわゆる 「血行再建術」が
一般的に行われています。
頭痛や軽いけいれん発作のみの場合は、
それに対する薬物療法を行うこともあります。
外科的血行再建術は 「間接的血行再建術」
と 「直接的血行再建術」があります。
それぞれの特徴を生かして、患者さんの
状態や病気の進行の程度によって、それら
を組み合わせて行います。
間接的血行再建術は、血流が豊富な組織
を脳に接着することで、その組織から脳に
新しい血管を作り出すことを目的とします。
主に硬膜、側頭筋、浅側頭動脈の組織が
用いられます。
広範囲の血流の改善が期待できる反面、
新しい血管の発達に数ヶ月単位の時間が
必要です。
主に小児症例に用いられています。
一方、直接的血行再建術は、頭蓋外血管
を頭蓋内血管に直接吻合することで、血流
の改善を期待する方法です。
主に 浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術が
行われます。
これは、血管径の太い成人症例に
適する方法とされています。
良好な血行再建ができれば、症状は
1年程度で軽快します。
しかし、既に脳梗塞や脳出血などの
脳病変がある場合は、症状の進行を
遅らせることしかできません。
既存の症状の改善は見込めない
ということになります。
脳出血予防に対する外科治療の有効性は、
多くの論文で述べられているところです。
現在、さらに科学的な立証をするため、
外科治療した患者さんと、行わなかった
患者さんとの再出血率を求める研究が
進められています。
もやもや病は、その病名から深刻な
病気と想像しにくいですが、子供、
大人にかかわらず、怖い病気ですね。
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